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オムニチャネル展開のための在庫の必要条件:在庫情報の見える化

著者: John Konczal,
The Omnichannel Inventory Imperative: It Starts with Visibility

ひと昔前は、小売業者は販売チャネルを明確に分離していて、販売チャネルは限定的でした。店舗にある在庫は、その店舗でのみ消費され、倉庫にある在庫は、店舗で行われた補充注文または、顧客が電話を介して行った注文 (現在はeコマース) でのみ消費されました。

倉庫管理ソリューション、RFID、機械自動化およびロボティクス、インテリジェントな需要予測など高度な流通戦略と技術が一般的になり、流通センターの在庫精度を99% までに高めることが可能になりました。その結果、小売業者の倉庫からのフルフィルメントは非常に信頼性が高く、特定の納期などのフルフィルメントの履行が、普通に実行されるようになりました。

オムニチャネル販売が普及したことで、小売業者は、最適化された在庫管理と、戦略的に配置された少数の倉庫からの注文処理業務のみに依存できなくなりました。現在、小売業者は様々なフルフィルメント手段を活用しています。特に、お客様がより速い配達オプションを求めている場合は、店舗をフルフィルメントの拠点として活用しています。BRP Consulting社の調査によると、18〜37歳の買い物客の77% が、同日配達を提供する小売業者を選択する可能性が高いことがわかりました。店舗を流通ハブとして使用すると、顧客へ届ける場所に近くなる可能性があり、小売業者は同日集荷や自宅への発送など、より速い配達の要求に応じることができます。また、キャップジェミニ社のリサーチによると、当日配達の場合、店舗からのラストマイル配達費用は配送センターからの配達よりも16% 低いそうです。このような理由からも店舗をフルフィルメントとして活用するオプションは魅力的です。

不可能と思われていることを、可能に

小売業者にとって、店舗のフルフィルメントは、顧客の期待を越える、短納期と顧客ロイヤルティの構築のための重要なビジネスチャンスの可能性があります。しかし、店舗を信頼できるフルフィルメント業務の場に変換することは困難です。店舗は、倉庫ではないので、完璧に在庫を管理したり、顧客の条件に適した配送など、最適化されているはずがありません。店舗は、注文を管理するのではなく、顧客とのやり取りを管理するように設計された販売活動の中心だからです。また、多数の店舗と、各店舗が独自の運用上の特性を備えていることもあり、フルフィルメントに必要になる、実際に利用可能な在庫の全体像を集約することは難しいことです。

これは水と油を混ぜるようなもので、店舗をミニ流通センターに変革しようとするのは不可能のように思われるかもしれません。この変革を実現させ、店舗が顧客の約束を果たすことができるようにし、収益性を高めることは無理なように思われるかもしれませんが、実現は可能です。しかし、そこに到達するには、いくつかのステップを踏む必要があります。店舗の在庫精度の改善、店舗チームによるフルフィルメントの効率的で効果的な管理、店舗がフルフィルメントに使用される方法とタイミングの最適化、顧客価値とオムニチャネル収益性を最大化するなどです。

まずは、既存の店舗ネットワークを変革して、オムニチャネル展開を実施するために、絶対必要な基本的なステップを見ていきましょう。店舗をグローバル在庫の見える化と可用性を統合する部分となります。

まずは、在庫情報の見える化から始める

複数の倉庫からオンライン注文のフルフィルメントを行う場合は、在庫の正確性を信頼でき、どの倉庫から引当てを行うかは簡単な決定でした。フルフィルメントの決定には、1)利用可能な在庫があり、2)受取人に地理的に最も近く、3)短いルートで最も安い配送契約がある施設を選択することです。オンライン販売が一般的になるにつれて、小売業者は在庫や注文処理プロセスを調整して、インバウンド在庫・ドロップシッパーの在庫に対する販売およびフルフィルメントを含んだ、リアルタイム機能を組み込むようになりました。

グローバル在庫情報の見える化は、小売業のオムニチャネル展開の基礎となる重要なレベルの在庫情報を提供します。常に、いつ、どこに、何があるかを把握できていることを想像してみてください。小売業者は、流通業者や製造業者と同様に、グローバルな在庫情報の見える化が課題でした。店舗などでのフルフィルメントの数が拡大すると、一貫した在庫の見える化は重要です。

小売業者で、数十から数百の店舗でフルフィルメントができるようになると、グローバル在庫の複雑さは急激に増大します。これらの店舗は、倉庫やサードパーティの配送業者とともに、全体在庫の状況がリアルタイムで閲覧できるようになる必要があります。マンハッタンのオムニチャネル向けのオーダー管理システム(OMS)は、店舗、輸送中、注文中、企業内のあらゆるフルフィルメントの場所をまたがる在庫、サードパーティが所有/フルフィルメントした在庫をリアルタイムで確認することができます。オープンAPIを使用して、小売業者のネットワークと外部アプリケーションの在庫位置をリアルタイムで同期し、オムニチャネルのオーダー管理システムは、小売業者がオムニチャネルを強化するために必要なすべての在庫の可視化を実現します。すべての販売チャネルで完全な在庫情報を利用できるため、小売業者は自信を持って顧客に店舗での集荷または、同日配達用の製品を注文できるようになります。

実際に業務で使える、見える化に強化する

小売業者のオムニチャネル展開の在庫成熟度の第1ステップは、すべての在庫情報の見える化、第2ステップは利用できる在庫の制約条件の設定です。小売業者は見ることができないものを販売することはできませんが、見ることができるすべてをオンラインで常に販売するとは限りません。店舗在庫とフルフィルメントに関して考えてみましょう。

お客様が、ネイビーブルーのクルーネックセーター(Mサイズ) をオンライン購入したとしましょう。注文では、ギフト包装が必要で、明日の夜のパーティーのために1日以内に到着する必要があるとします。顧客に配送できないものを約束しないように、すべての在庫に適用する制約条件が必要になります。小売業者側は、このお客様にネットワーク内のすべての青いセーターを見せることはしないでしょう。お客様が、引き取り先として提示した店舗に品物を取りに行ったら、品物がパーティーに間に合うようにギフトラッピングや梱包ができていないかったとしら、サービスへの不満から、二度と購入してくれなくなるかもしれません。すべての在庫情報の見せ方は、慎重に考える必要があります。

正確なオンライン注文を可能にするには、すべての在庫の見える化をECソリューション上で見せるには、ビジネス要件に則したフィルタリングや制約条件を設定する必要があります。さきほどの例は単純なものですが、表示する場合の多くは、翌日配送などの顧客ニーズや店舗のリソース状況などの要素に基づいて、適切なチャネル表示ごとに、動的に配信されることが望ましいです。

マンハッタン・アソシエイツのオーダー管理システムにある Available To Commerce (以降、ATC) という機能は、高度な制約ベース機能を活用し、実際に提供可能な在庫を提示することができます。オーダー管理システム内のATCを使用すると、ビジネスユーザーは、定義区分ごとのビジネス目標に従ってルールを作成することで、ブランド、場所、製品、またはチャネルごとに在庫をカタログ化および管理できます。小売業者は、この機能を使用して、Webストア、マーケットプレイス、POSなどに提供される在庫の 「表示」 に制約条件を設定して作成することができます。実際に提供可能な在庫が計算されると、組織はアラートを(製品、製品カテゴリ、チャネルごと等)設定し、異なるユーザープロファイルに対して同じ在庫を別々に提示します。

オムニチャネルの必然性

オムニチャネル運用モデルへの移行は、これから顧客接点が重要となる小売業者にとって必要条件となっていきます。店舗を活用した流通は、物理的な店舗を持たないオンライン事業者に対抗できる差別化ポイントであるはずです。ただし、その利点は、いつでも、どこから購入する場合でも、正確な在庫情報を提供するインフラがあって初めて実現します。Manhattan Active™ Omniのオーダー管理機能が、真のオムニチャネル化のビジネスチャンスを活用するためのインフラを提供します。※ 2019年05月02日のブログ記事 (英語) の抄訳です。

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